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不登校の支援

小中高生の不登校は今や社会現象のようです。当院にも数名の不登校児が受診されています。共通して言えるのは「朝の早起きが苦手」なようです。目覚ましは5分ごとにけたたましい音を立てているけれども、起きる様子もない。母親が何回も起こしに来るけど、「起きる」と返事はするものの、一向に起きてくる気配はない。父親は「遅くまでゲームばっかりしてるからだ、本当にズボラなんだから。規則正しい生活をすればいいんだ。」と悪態をつく始末。とこれがどこにでもある朝の風景のようです。

周りの人は、まるで本人が怠けているかのような口ぶりです。しかしこれは「低血圧」「自律神経失調症」と言われるという病気だと思ってください。たぶんその認識のある家庭では既に病院に通院して血圧を上げる薬を処方されているでしょう。低血圧を起こしている原因はそのままになっていますので、薬が効いているとは思えないのではないでしょうか?起立直後性低血圧・体位性頻脈症候群・血管迷走神経性失神・遅延性起立性低血圧などとも呼ばれていますが、一般的には起立性調節障害という診断名です。血圧にだけ注目されているような印象がありますが、落ち込みやすくなったり、怒りっぽくなったり、不安が強くなったりといった精神症状も出てきます。

しかしその本態は「冷え症」です。冷え症のために内臓や筋肉を動かすためのエネルギーが作られないので、体がだるくなります。体が冷えている間だけ、一時的に心不全と同じような状態になっていて、低血圧のために心臓から血液を脳に向かって押し出す力がなく、脳の血流が低下して軽い意識障害の状態になっているのです。しかし、太陽が昇って暖かくなってくる10:00~11:00頃になると心臓も温まって心不全も改善し、脳血流も回復し、症状もよくなります。よくなった状態で病院を受診しても、低血圧だけでそれ以外の異常はないと言われます。結局、運動だの塩分・水分摂取だのの生活指導はされますが、今まで誰も身体を温めろとは言ってきませんでした。しかし体を温めるようにすると、てきめんに楽になって、5分以内に起き上れるようになります。夜遅くまで寝ないのは、体が冷えすぎているために眠気が来ないためです。シャワーではなくゆっくり浴槽に浸かって身体を温めるとよく眠れるようになります。当院では深部体温を温める漢方薬を使います。早い人では1週間でよくなりますが、身体の冷え方に個人差がありますので、ご希望の方は来院して診察を受けてください。